- 概要 -
どちらも、とげのある低い薔薇の木のことなどを指す。荊は、罰を与える時に用いる鞭の材料に用いられる。棘はただとげを表現し、荊の様な困難や罰を表す意味は薄い。
- 詳しい解説 -
荊は「いばら」「けい」と読む。とげのある低木の薔薇などのこと。漢字の中に刑罰の「刑」が入っていることから分かる様に、罰を与える時に用いる鞭の材料にも使用されていた。また、荊で作られた冠という意味の荊冠(けいかん)は、イエスが十字架にかけられた時にかぶせられたことから、受難という意味もある。困難や罰等、どちらかといえば悪い意味で使われる漢字であり、「荊の道」「荊の人生」など、苦しみの多い事のたとえとしても使われる。
棘は「いばら」「とげ」と読む。荊と同じ様な意味で使われることも多いが、蔓も含めた荊よりは、植物の鋭い円錐状の部分(とげ)の事を指す方が主である。実際にとげの様な突起物がなくても、「棘々しい言い方」や「棘のある言葉」など、攻撃的で相手を傷つけるような比喩表現に用いることもある。