伊勢物語と今昔物語の違い

伊勢物語と今昔物語の違い

伊勢物語と今昔物語の違い

- 概要 -

伊勢物語とは、平安時代の初期に生まれた歌物語で125段の物語で構成されている。今昔物語とは、平安時代の末期に生まれた説話集で、全部で31巻ある。

- 詳しい解説 -

伊勢物語とは、平安時代の初期(9世紀〜10世紀にかけて)に成立した歌物語の事で、作者は不詳である。全部で125段の物語で構成されており、主に日本の中で主人公の男が成人して死ぬまでの事が書いてある。その多くは、歌人であり、奔放な人生を送ったとされる在原業平(ありわらのなりひら)と思わせる表現があり、彼の和歌も多く採録されている。ちなみに一人の作者によって全て書かれた訳ではなく、50年程の間に複数の作者によって少しずつ時間をかけて段が追加されていき、現在の形になったと言われている。

今昔物語とは、平安時代の末期(12世紀頃)に成立したとされる説話集の事で、こちらも作者は不詳である。全31巻、1059話からなる、質、量共に最大となる説話集。伊勢物語とは違って、日本だけでなく天竺(てんじく→インドのこと)や震旦(しんたん→中国のこと)の説話も含まれている。どの話も必ず「今は昔」という言葉から始まるのが最大の特徴である。