- 概要 -
諸行無常とは、この世の中の万物は常に流れ変化していくものであり、ずっとそのままという事は無いという意味で、諸法無我とは、全ての物には「我」等は無く、他との関係性によって生かされているという意味。
- 詳しい解説 -
諸行無常(しょぎょうむじょう)とは、この世の万物は常に流れて変化を続けていくものであり、変化をせずにずっとそのまま・・・という事は有り得ないという意味である。全ては変化し、永遠は存在しない。それは、姿形だけでなく、そのものの本質さえも含まれている。美しく咲く花もいつかは枯れ果てる、人の意志も心根も時と環境の変化によって変わっていく等、世の中の移り変わっていく様や、人が死んでいく事を嘆いて使われる事が多い。
一方、諸法無我(しょほうむが)とは、この世は所詮夢物語で現実等ではなく、「我」というものも存在せず、他との関係によって成り立っているだけであるという意味。全ては相対的(他があってこそ)な物であり、「我」の様に単独で存在する事等無い。海水は海水なのではなく、熱されれば蒸気となり、そして雲になり、雨となって地上へ降ってと「環境によって」変化を繰り返す。この様に、今の立場や環境に執着しても意味は無い、絶えず変化していくものであるから、という事を説いている。