鎮魂歌とレクイエムの違い

鎮魂歌とレクイエムの違い

鎮魂歌とレクイエムの違い

- 概要 -

鎮魂歌とは、死者の荒ぶる魂が悪さをしたりする事のない様にしずめて慰める、死者の魂に捧げる歌の事で、レクイエムとは死者の魂の安息や救済を神に祈り、捧げる歌の事である。

- 詳しい解説 -

鎮魂歌の「鎮魂」とは、元々は身体から離脱しやすい魂を、身体に押し込めておくという意味であった。鎮圧、鎮火という言葉がある様に、荒ぶる魂に重石をする様に押さえつけ、鎮めるのが鎮魂の意味である。鎮魂歌は、この様に荒ぶる死者の魂を押さえつけたり慰めたりして鎮め、死者の魂が生きた人間に悪さをしない様にする為の歌とされる。死者の魂に聞かせる為に歌う歌で、一見死者の為である様だが、実際は生者を守る為の歌の事である。しかし実際は様々なアーティスト等も死者の為の歌として鎮魂歌を発表している。これはレクイエムと鎮魂歌が混同されている為に起きた現象である。

レクイエムとは、死者の魂の安息や救済を神に祈り、捧げる歌の事である。カトリックの「死者のためのミサ」で歌われる。鎮魂歌が死者の魂に対して歌うのに対し、レクイエムは死者の救済を祈り、神に対して歌う点が違う。その為、レクイエムには鎮魂の意味は無い。